「外資系ITって、やっぱり実力主義でシビアなの?」 日系企業(JTC)で働いている方から、一番よく聞かれる質問です。 私も以前は、年功序列の空気が残る日系企業で働いていました。しかし、外資ITへ転職して最も驚いたのは、給与の額面そのものよりも、「なぜその給与が支払われるのか」という評価の透明性と、個人の裁量の大きさでした。 今回は、私が実際に現場で体感した、日系企業と外資系ITの決定的な文化の差を公開します。
1. 「頑張り」ではなく「成果(Outcome)」へのフォーカス
日系企業では「遅くまで残業している」「プロセスが丁寧」といった、周囲との調和や努力の姿勢が評価のスパイスになることがあります。しかし外資ITでは、評価の軸は常に「何を実現したか(Outcome)」に置かれます。
- 日系: 「組織への貢献姿勢」や「努力のプロセス」も加味される
- 外資IT: 「合意した目標に対する達成度」が評価の主役
これは一見シビアですが、「結果さえ出していれば、プロセスの自由度は極めて高い」という、プロフェッショナルとしての信頼に基づいた働き方を意味します。
2. 評価の透明性と「1on1」による合意形成
外資系ITでは、上司との1on1(定期面談)を通じて、自分の評価を常に「自分事」として握り続けます。 第3回で触れた【英語×外資IT】非ネイティブが重宝される「ブリッジ人材」戦略においても、自分の役割を明確に上司と握っておくことは重要です。 「上司が誰にどれくらいの評価をつけたか分からない」というブラックボックス感はなく、常に「納得感のある評価」を受けられる体制が整っています。
3. 「阿吽の呼吸」は存在しない。すべては「言語化」
日系企業で重宝される「空気を読む」スキルは、外資では通用しません。 異なるバックグラウンドを持つメンバーと働く環境では、「言わないことは、考えていないのと同じ」です。 第2回で解説した「ドメイン知識」の掛け合わせを活かす際も、自分の知見をいかに論理的に(あるいは英語で)相手に伝えるかという「発信力」が求められます。
4. キャリアは会社ではなく「自分」で作る
日系企業では「人事異動」で会社がキャリアを決めてくれますが、外資ITでは「キャリアは自己責任」です。
- 自分がどのポジションに行きたいか?
- そのために今、どのスキルを磨いているか?
第8回の【外資IT面接突破術】逆質問で評価を爆上げする5つの質問リストと応用ルールでもお話しした通り、面接の段階から「自分のキャリアを自分でドライブする」姿勢が厳しく見られています。
5. 「Diversity(多様性)」がもたらす心地よさ
意外かもしれませんが、外資ITの方が「人間関係のストレス」は少ないと感じています。 年齢、性別、国籍に関係なく、互いのプロフェッショナリズムを尊重する文化があるからです。飲み会の強制や無意味な忖度がない分、プライベートや自己研鑽に充てる時間をしっかり確保できます。
まとめ
外資系IT企業は、決して「冷酷な実力主義」の場所ではありません。 「プロとして期待される成果を出し、その分、働き方やキャリアの自由を手に入れる」という、非常にフェアな契約関係に基づいた世界です。 日系企業の安定感をリスペクトしつつ、自分の力をよりダイレクトに評価と自由に変換したい。そう願う人にとって、外資ITという選択肢は、年収以上の「納得感」をもたらしてくれるはずです。